2014-01-07から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第1432話

早春賦 春は名のみの風の寒さや。 谷の鶯 歌は思えど 時にあらずと 声も立てず。時にあらずと 声も立てず。 吉丸一昌作詞。大正2年、吉丸一昌編『新作唱歌』に発表されたそうです。本格的な春の訪れを待ちわびる気持ちを歌った名曲として歌い継がれてきまし…

木魚歳時記 第1431話

さくら さくら さくら さくら、弥生の空は、見渡すかぎり、霞か、雲か、匂いぞ出ずる。いざや いざや、見にゆかん。 筝曲の「さいた桜」(江戸時代)が「わらべ歌」に転用されて歌い継がれ、さらにそれが改作されて「さくら さくら」になったといわれます。…

木魚歳時記 第1430話

荒城の月 春高楼の花の宴 めぐる盃かげさして 千代の松が枝わけ出して むかしの光いまいずこ 土井晩翠作詞。明治34年、東京音楽学校編の『中学唱歌』に発表されました。瀧廉太郎の作曲の哀切を湛(たた)えたメロディーとあいまって、日本の代表的な愛唱歌…

木魚歳時記 第1429話

朧月夜 菜の花畠に、入日薄れ、見わたす山の端 霞ふかし。春風そよふく 空を見れば,夕月かかりて におい淡し。 高野辰之作詞。大正3年、文部省唱歌として『尋常小学唱歌(6)』に収録されました。文部省唱歌は発表時点で、作詞・作曲者が不詳のまま発表さ…

木魚歳時記 第1428話

お正月 もういくつねると お正月 お正月には 凧あげて こまをまわして 遊びましょう はやく来い来い お正 明治34年、瀧廉太郎を中心に刊行された『幼稚園唱歌』に発表されました。『幼稚園唱歌』は、子どもが理解できる口語体の歌詞で書かれた日本最初の楽…

木魚歳時記 第1427話

オウマ オウマノオヤコハ、ナカヨシコヨシ。イツデモイッショニ、ポックリポックリ アルク。 林柳波作詞。 第二次大戦中に編まれた国民学校初等科第1学年用の音楽教科書『ウタノエホン』に収められた文部省唱歌です。母子愛を鮮明にした唱歌らしい唱歌です…

木魚歳時記 第1426話

浦島太郎 昔々浦島は 助けた亀に連れられて 竜宮城に来て見れば 絵にもかけない美しさ 明治44年『尋常小学唱歌(2学年用)』に作られた文部省唱歌です。歌詞の内容は、明治時代の児童文学者、巌谷小波(いわやさざなみ)の『日本昔話(浦島太郎)』の物語…

木魚歳時記 第1425話

牛若丸 京の五条の橋の上 大のおとこの弁慶は 長い薙刀ふりあげて 牛若めがけて切りかかる 明治44年、文部省が作った教科書『尋常小学唱歌』の第一学年用に発表された「唱歌」です。物語唱歌とはいえ、明治以降の国威掲揚の匂いが感じられるのが、いままで…

木魚歳時記 第1424話

ちんから峠 ちんからホイ ちんからホイ ちんから峠の お馬はホイ やさしい おめめで ちんからホイホイ ちんからほい(後略) 細川雄太郎作詞。昭和14年に『童謡と唱歌』に発表されたそうです。昭和23年、コロンビアレコードより川田正子の歌唱で発売され…

木魚歳時記 第1423話

みかんの花咲く丘 みかんの花が 咲いている 思い出の道 丘の道 はるかに見える 青い海 お船が遠く かすんでる 加藤省吾作詞。昭和21年、NHKラジオの放送番組「空の劇場」で、東京都と静岡県伊東市を結んで二元放送され、川田正子の歌唱により誕生したそ…

木魚歳時記 第1422話

どこかで春が どこかで「春」が 生れてる、どこかで水が ながれ出す。 百田宗治作詞。大正12年、雑誌『小学学生』に発表されました。親しみのあるメロデイーと、やや技巧的ともいえる歌詞があいまって春の歌として愛され歌い継がれてきました。さて「自分…

木魚歳時記 第1421話

からたちの花 からたちの花が咲いたよ。白い、白い、花が咲いたよ。 北原白秋作詞。大正13年『赤い鳥』に発表されました。山田耕筰作曲のこの歌は、テノール歌手・藤原美江が歌い、童謡というよりも抒情的な歌曲として超有名となります。さて「俳句で、表…

木魚歳時記 第1420話

ちいさい秋みつけた 誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが みつけた ちさい秋 ちさい秋 ちさい秋 みつけた(後略) サトーウハチロー作詞。昭和30年、NHKの放送芸能祭で発表されたのが最初であるといわれます。わずかに萌しはじめた片鱗の秋を詠ってさわやか…

木魚歳時記 第1419話

里の秋 静かな 静かな 里の秋 お背戸に木の実の 落ちる夜は ああ かあさんと ただ二人 栗の実煮てます いろりばた 斉藤信夫作詞。昭和20年、敗戦直後の復員兵を迎える歌として作られ、JOAK(現NHK)ラジオから流され、留守家族の共感と反響を得たそ…

木魚歳時記 第1418話

砂山 海は荒海、向こうは佐渡よ。すずめ啼け啼け、もう日はくれた。みんな呼べ呼べ、お星さま出たぞ。 北原白秋作詞。大正11年、雑誌『小学女性』に発表されたそうです。そのころ白秋は新潟で話をする機会があり、新潟の童謡を作る約束をして帰り、その約…

木魚歳時記 第1417話

この道 この道はいつか来た道、ああ、そうだよ、あかしやの花が咲いてる。 北原白秋作詞。大正15年、童話雑誌『赤い鳥』に発表されたといわれます。白秋は前年に、サハリンと北海道に旅行し、そのとき見た事物を作品にしたともいわれています。これからし…

木魚歳時記 第1416話

サッちゃん サッちゃんはね サチコって いうんだ ほんとはね だけど ちいちゃいから じぶんのこと サッちゃんて よぶんだよ おかしいな サッちゃん 坂田寛夫作詞。戦後の童謡の方向性の一つは「現実の子どもの気持ちに迫り、しかも芸術的な児童歌曲をめざす…

木魚歳時記 第1415話

小鹿のバンビ 小鹿のバンビは かわいいな お花がにおう 春の朝 森の小藪で 生れれたと みみずくおじさん いってたよ 坂口淳作詞。昭和21年に、童謡誌『熊ん蜂』に発表されたそうです。この歌を口ずさむと、おもわず、体がスイングするような気持ちになると…

木魚歳時記 第1414話

おみやげ三つ おみやげ三つに 凧三つ おみやげ三つは 誰にやろ さよならいう子に 分けてやろ 背中をたたいて ポンポンポン 西条八十作詞。以前、このホームページでご紹介した「わらべ歌」の中に似た歌があったと思いましたが、やはりこの歌は、日本の「わら…

木魚歳時記 第1413話

黄金虫 小金虫は、金持ちだ。金蔵建てた、蔵建てた。飴屋で水飴、買ってきた。 大正11年、大日本仏教コドモ会発行の児童雑誌「金の塔」に中山晋平の曲譜つきで発表された童謡だそうです。ユーモラスなようで、どこかナンセンスシニカルな味をもつこの歌詞を…

木魚歳時記 第1412話

山口さんちのツトム君 山口さんちの ツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかナ・・(後略) みなみ らんぼう作詞・作曲。昭和51年、NHKテレビ番組「みんなのうた」に登場しました。従来の童謡と異なる新しいことばの感覚、アニメーションのおもしろさで,…

木魚歳時記 第1411話

とんがり帽子 緑の丘の 赤い屋根 とんがり帽子の 時計台 鐘が鳴ります キンコンカン メイメイ小山羊も 鳴いてます・・(後略) 菊田一夫作詞。古関祐而作曲。昭和21年放送開始のNHKラジオ放送劇『鐘の鳴る丘』の主題曲です。戦後の動乱が収まらない時期…

木魚歳時記 第1410話

笛吹童子 ヒャラリヒャラリコ ヒャリコヒャラレロ 誰が吹くのか ふしぎな笛だ・・(後略) 北村寿夫作詞。福田蘭童作曲。NHKラジオの連続放送劇「新諸国物語」(昭和27年放送開始)は、①『白馬の騎士』、②『笛吹童子』、③『紅孔雀』、④『オテナの塔』、⑤『…

木魚歳時記 第1409話

ひよっこりひょうたん島 なみをチャプチャプ タャプチャプ かきわけて くもをスイスイ スイスイ おいぬいて ひょうたん島は どこえゆく・・(後略) 井上ひさし・山本護久作詞。NHK総合テレビで、昭和39年から放送された人形劇『ひよっこりひょうたん島』…

木魚歳時記 第1408話

てのひらを太陽に ぼくらは みんな生きている 生きているから 歌うんだ ぼくらは みんな生きている 生きているから かなしいんだ・・(後略) やなせ たかし作曲。作詞者は「アンパンマン」などのキャラクターを持つ著名な詩人・漫画家であります。この童謡…

木魚歳時記 第1407話

鉄腕アトム 空を越えて ラララ 星のかなた ゆくぞアトム ジェットのかぎり 心やさしい ラララ 科学の子 十万馬力 鉄腕アトム 谷川俊太郎作詞。驚異的人気番組『鉄腕アトム』は、昭和38年にフジテレビより放映されました。意外なことに、その主題歌が断片的…

木魚歳時記 第1406話

グッド・バイ グッド・バイ グッド・バイ グッド・バイバイ とうさん おでかけ 手を、あげて 電車に 乗ったら グッド・バイバイ 佐藤義美作詞。河村光陽作曲。作詞そのものは幾度か改作されているようです。幼児の日常を幼児の眼からうたった童謡として親し…

木魚歳時記 第1405話

およげ たいやきくん まいにち まいにち ぼくらは てつぱんのうえで やかれて いやになっちゃうよ あるあさ ぼくは みせのおじさんと けんかして うみに にげこんだのさ 高田ひろお作詞。昭和50年、フジテレビの幼児向け番組「ひらけポンキッキ」の挿入歌…

木魚歳時記 第1404話

月光仮面は誰でしょう どこの誰かは 知らないけれど 誰もがみんな知っている 月光仮面の おじさんは 正義の味方よ 善い人よ 疾風のように 現れて 疾風のように 去って行く (後略) 川内康範作詞。昭和33年より一年間、KR(現TBS)テレビで放映された連続…

木魚歳時記 第1403話

黒ネコのタンゴ ラララ・・・ きみはかわいい 僕の黒猫 赤いリボンが よく似合うよ だけど時々 ツメ出して 僕の心を悩ませる みおた みずほ訳詩。昭和45年ごろ、子どもにも大人にも歌われ大流行した童謡であり流行歌です。旋律・歌詞が日本の童謡とまった…