2014-01-05から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第1240話

大内裏 平安京では、洛中の北限となる、一条大路の中央に、政務の中心となる、大内裏(だいだいり)が設けられました。これは、現在、千本丸太町に大極殿(だいごくでん)跡として残されています。この大内裏から南方向(下)に朱雀大路(現・千本通り)が走…

木魚歳時記 第1239話

洛中洛外 京都の町割の特徴である碁盤の目は、平安京造営の仕組みにあります。その平安京の原型は中国の西安(長安)城にあります。すなわち、平安京の構図は、南北に区切る(一条大路~九条大路)大路と、東西(東京極大路~西京極大路)に区切る大路に代表…

木魚歳時記 第1238話

鴨川 京都を代表する川といえば鴨川(河川法ではこの名称に統一)です。鴨川は、北区の雲ヶ畑を源流とし、今出川大橋で高野川と合流し、伏見区の下鳥羽あたりで桂川と合流し、淀で、宇治川・木津川と合流して淀川となり大阪湾に注ぎます。 一方、文化史的に…

木魚歳時記 第1237話

水の都 太古の時代より、京都盆地は、巨大な水瓶の上に在ったといわれます。京都は、比叡山を挟んで琵琶湖と対をなす巨大な「水瓶」の上に栄えてきた水上都市という意味です。その根拠は、市営地下鉄の工事の際に、烏丸中学の付近の地下5メートルのあたりで…

木魚歳時記 第1236話

上る下る 碁盤(ごばん)の目の京都の地名は、京都独特の呼び方があります。すなわち「上る下がる」「西入る東入る」という呼びです。例えば「川原町通り四条東入る」は、河原町通り(南北)と、四条通り(東西)の道路の交差点を東に入ったポイントとなりま…

木魚歳時記 第1235話

寺町御幸 寺町御幸(てらまちごこう)?京の南北の通りの名称を覚えるための『数え歌』です。 てらごこうふやにとみ(寺町・御幸町・麩屋町・富小路) やなぎさかいたかあいの(柳馬場・堺町・高倉・間之町) ひがしはくるまやちょう(東洞院・車町) からす…

木魚歳時記 第1234話

丸竹夷 丸竹夷(まるたけえべす)?昔から唄い継がれてきた『数え歌』に登場する呼び名です。あらためてご紹介します。 まるたけえべすに(丸太町・竹屋町・夷川・二条) おしおいけ(押小路・御池) あねさんろっかくたこにしき(姉小路・六角・蛸薬師・錦…

木魚歳時記 第1233話

綴喜 綴喜(つずき)と読みます。現在は市町村の編成替えで京田辺市となりましたが、綴喜郡田辺町を中心とする一帯を指したようです。タナベ(田辺は、タ(田)ナ(助詞)ベ(周辺)という意味であります。また「田」は弥生時代の昔より人の住む処に適した所…

木魚歳時記 第1232話

綺田 綺田(かばた)という在所の名前です。これをすらすらと読める人は少ないでしょう。京都府の南部、相楽郡山城町にあります。笠置(かさぎ)より少し北にあり、付近には、木津川や大小の天井川が集まり、水害の多く発生した地域でした。また近くには、蟹…

木魚歳時記 第1231話

大河原 笠置(かさぎ)を東に行くと大河原(おおかわら)に出ます。このあたりは、木津川のデルタ地帯で、昔から、川も人も出合う処とされています。このあたりに有名な「沈み橋」(潜没橋)が架かっています。沈み橋というのは、手すり(橋の欄干)のない、…

木魚歳時記 第1230話

天ヵ瀬 宇治市の金井戸に天ヵ瀬はあります瀬田(滋賀県南郷)から流れ出た宇治川の治水のためダムが建設されて天ヵ瀬は有名となりました。天ヵ瀬の元とは、アマカシ(甘樫とされます。カシは、米を洗いゆするときのように川の激しいことを意味します。つまり…

木魚歳時記 第1229話

笠置 京都の南部を流れる木津川の上流で川幅が一番に狭い所が笠置(かさぎ)であります。このあたりの笠置山には真言宗の名刹笠置寺があり笠置の名に因む伝説も残されています。カサキ(漸岐・浸道)は、水かさ(嵩)が増して人の通るところが無くなるという…

木魚歳時記 第1228話

一口 一口(いもあらい)と読みます。城陽市久御山(くみやま)あたりの地名であります。このあたりは、宇治・木津・桂の三川が合流するところで、昔は巨椋池(おぐらいけ)と呼ばれる広大な湿地帯でした。(干拓により巨椋池は姿を消しました)。そもそも、…

木魚歳時記 第1227話

藤森 藤森神社(ふじのもりじんじゃ)が、学問の神様、入試合格祈願の神を祀る事は北野の天満宮ほどに知られておりません。藤森(ふじのもり)のこの一帯は、古墳時代からの遺跡も多く、「深草の里」として古くから人の居住した処であるといわれています。フ…

木魚歳時記 第1226話

鞍馬 平安の昔から、文学の作品に数々登場し、また牛若丸や鞍馬天狗の伝説でも有名な鞍馬寺(くらまでら)のあるところです。丹波の南山地にある鞍馬山は、西の貴船川とともに、鴨川の水源の一つともなる貴重な山であります。このあたりには古くから人が住ん…

木魚歳時記 第1225話

古知谷 若狭街道(鯖街道)も八瀬(やせ)をすぎると急にひらけてきます。大きな平野のひろがり大原(おおはら)であります。三千院や寂光院で有名な大原から北へいったところに、弾誓上人(だんぜいしょうにん)のミイラ仏で有名な古知谷(こちだに)の阿弥…

木魚歳時記 第1224話

八瀬 八瀬(やせ)は、一般的に「急瀬が多い処」が八箇所も連なる所の意味と考えられます。今日ではセ(瀬)は、川の浅瀬の意味に用いられますが、昔は狭い通り道、川に沿った道、川の瀬を渡ってゆくような道、つまり、セ(背)の意味もあったとされます。」…

木魚歳時記 第1223話

岩倉 岩倉(いわくら)は、『源氏物語』の若菜の巻きにも「北山のなにがしの僧都(そうず)の庵(いおり)として登場するごとく、このあたりには、大雲寺、実相院などなど由緒ある寺がならび、古来から和歌・文学にしばし登場する土地柄です。そもそも、岩倉…

木魚歳時記 第1222話

深泥池 深泥池(みどろがいけ)は「水生植物群落」として古生代(一万年以上前)より生き残っている天然記念物に指定されています。ミドロ(深泥)は文字通り「泥水の深い池」の意味であります。ミは、ミヅ(水)であります。ドロ(泥)は、トロの濁音化であ…

木魚歳時記 第1221話

清滝 清滝(きよたき)は愛宕詣(あたごもうで)の宿駅(しゅくえき)として、役行者(えんのぎょうじゃ)が開かれたと伝えられています。キヨタキ(清滝)は、その名の通り清らかな滝があるからその名がついたのでしょう。また、弘法大師が中国の青竜権現(…

木魚歳時記 第1220話

松尾 松尾大社(まつおたいしゃ)といえばお酒の神様として有名です。これは、昔、このあたりを支配した渡来人の秦(はた)氏一族が、酒造技術を伝えたからであるとといわれています。また、松尾の裏山から湧き出る霊水が、酒造の祓(はらい)行事と結びつい…

木魚歳時記 第1219話

御室 御室(おむろ)は、京の西北に奥まって南を受ける、まさにムロ(室)と呼ぶにふさわしところにあります。そして御室(おむろ)といえば仁和寺(にんなじ)であります。古来、室(むろ)とは僧の住むところを意味しました。それも法皇や上皇などの高貴な…

木魚歳時記 第1218話

壬生 壬生(みぶ)は、節分ともなれば「壬生狂言」でにぎわう壬生寺のあるところです。また、壬生寺の近くには、新選組の屯所跡があり、数年前の新撰組ブームのときは大いににぎわったものです。ミブ(壬生)の語源は、ミブ(水生)から来ているそうです。古…

木魚歳時記 第1217話

木幡 木幡(こわた)は、山科川(やましながわ)が宇治川と合流する処ににあります。三方を山に山に囲まれた山科(やましな)の水が集まる所ですから、木幡(こわた)の一帯は、昔は、沼沢(しょうたく)が広がっていたのでありましょう。 『万葉集に』に、…

木魚歳時記 第1216話

巨椋池 琵琶湖(瀬田)から流れ出た宇治川は巨椋池(おぐらいけ)という広大な湿地帯を抜けて淀川となり大阪湾に注いでいました。いわば、巨椋池は宇治川の氾濫を調整する役目を果たしていたのです。今は干拓により巨椋池(おぐらいけ)はそのを姿はとどめま…

木魚歳時記 第1215話

宇治 宇治は『万葉集』の昔から、また、『源氏物語』にもしばしば登場する有名な土地柄です。それは、南の大和と北の平安京を結ぶ交通の要衝でもあったからです。 ところで、ウジ(ウジ)はウチ(ウチ)の意味で、それは北東南の三方を山に、西を小椋池(お…

木魚歳時記 第1214話

山城 山城(やましろ)とは、京都腑南部の古代の国名のことです。『古事記』では山代(やましろ)と書いたそうです。その名の起こりは、山河が帯のように取り巻いていて、自然の城を形成しているので「山城」となったそうです。外敵を防ぎ守るのにすぐれた地…

木魚歳時記 第1213話

木津 木津(きず)は、もちろん木津川に由来します。ところで、木津川のキヅというのは、文字通りキ(木)のツ(津=着く処)、木材を陸揚げした処と云う意味であります。昔、大仏建立のために奈良街道を東大寺までここで陸揚げした木材を運んだのでありまし…

木魚歳時記 第1212話

山崎 山崎(やまざき)は、ヤマ(山)のサキ(先端)という意味です。山崎のあたりは、淀川の川筋が最も狭まっています。ここにミナセ(水無瀬)という地名があるのは、水が狭しとばかり流れるという意味から来ているようです。 天王山の麓、大山崎町のあた…

木魚歳時記 第1211話

神足 神足(こうたり)の地は桂川支流の小畑川をさかのぼったあたりにあります。古代人が川をさかのぼって地住するのに好都合の地形にあったのでしょう。その証拠には、神足神社の周辺から縄文時代から室町時代に至る複合遺跡が発見されているそうです。 コ…