2013-12-23から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第528話

「我」(が)とは、自分のことでしょうか?それはある意味では正しいといえます。しかしそれ以上に深い意味をはらんだ哲学用語です。 古いインドにおいては、「宇宙の中心主体である梵(ぼん)と、個人の中心主体である我(が)は一体である」という「梵我一…

木魚歳時記 第527話

もとの仏教用語と違った意味に用いられている言葉の例をいくつか見てきました。この我慢も、現在「辛抱する」とよい意味に使われますが・・実はそうではありません。 インドに古くから伝わるバラモン教では、自己の中心に、アートマン(我)の存在を考えまし…

木魚歳時記 第526話

「これが存在すれば、あれも存在する。これが生ずれば、あれも生ずる。これが存在しなければ、あれも存在しない。これが滅すれば、あれも滅する」。原始経典にある言葉です。これは「縁起」(えんぎ)と呼ばれ、仏教の基本的な考えを示すものとされます。 […

木魚歳時記 第525話

写真は山茶花(11月)です。さざんかにも二季咲きがあるのでしょうか? さて「本願」(ほんがん)とは、衆生を救済しようとする仏の<願い>であります。 とりわけ、極楽浄土のアミダ仏の「本願」は、「アミダ仏の御名を唱えて、すなわち、念仏する衆生を摂…

木魚歳時記 第524話

写真は二季咲き(11月)の子福桜です。 さて、「他力」(たりき)とは。主体性のない行為を指して「そんな他力本願では駄目だよ・・」などと用います。 「他力」(たりき)は、いうまでもなく「自力」と対になることばです。ことばのとおり「自分の力でな…

木魚歳時記 第523話

知識といえば「物事を知っていること」と思いがちです。しかし、仏教でいう「知識」(ちしき)とは<友人>を意味します。そして「善知識」(ぜんじしき)、「悪知識」(あくじしき)と用います。 わたしたちは「自分にとって都合のよい人」を友人と呼びたが…

木魚歳時記 第522話

『維摩経』(ゆいまきょう)の「不二の法門」(ふにのほうもん)つまり「無分別の世界」(不二)について。文殊の問いかけに維摩居士は言葉を発しません。すると文殊は「大いに結構、これぞ<不二>の回答・・なぜならそこに、文字もなく、言葉もなく、心が…

木魚歳時記 第521話

現在、「あの人は分別(ふんべつ)がある」「あんな無分別なことでは・・」。といったように用います。道理をわきまえる、反対にそうではないの意味です。 ところで仏教では、無分別は「無分別智」(むふんべつち)、「無分別の世界」として讃えられます(こ…

木魚歳時記 第520話

「安心」(あんじん)と濁って読みます。宗教的には、煩悩により起こる不満が払拭されて不動の境地に達した心の状態を指します。浄土教においては、アミダ仏の救いを信じ、極楽浄土への「往生」(おうじょう)を願う心の状態・・と、説かれます。 例えば、母…

木魚歳時記 第519話

「随喜」(ずいき)とは、随喜の涙を流して喜ぶ、といったように用いられます。もともとは、釈尊の説法を聞くことで、心の中に湧き出る喜び、それを指したものです。 空也上人が広められた「踊念仏」(おどりねんぶつ)はその典型といえます。長時間にわたり…

木魚歳時記 第518話

「念仏」(ねんぶつ)とは、口に「南無阿弥陀仏」(ナムアミダブツ)とお唱えすることです。法然上人さまは「そのことだけで・・」とおっしゃられて浄土宗をお開きになられました。 「念仏」について、古くインドや中国では「仏に対して心を集中すること」「…

木魚歳時記 第517話

「南無阿弥陀仏」(ナムアミダブツ)の「南無」(ナム)であります。これはインドの古語であるナマスを漢字に音写したものです。元の「ナマス」の意味は「帰依いたします」となります。ですから「ナムアミダブツ」は、極楽浄土のアミダ仏さまを尊敬し帰依い…

木魚歳時記 第516話

次に「出世」の二つ目です。これは「世間的なものを超えている」という意味です。すなわち「出世間」(しゅっせけん)を省略した言葉です。これが転じて、わたしたちは<身を立てる><名をあげる>ことを出世と呼ぶようになったのです。 ぼくは夏ごろから、…

木魚歳時記 第515話

「あの人えらい出世しやはった」・・といいます。この「出世」(しゅっせ)という言葉は、本来、仏教用語です。 さて「出世」には二つの意味があります。その一つは、仏が衆生を救うために、この世に出現されることを指します。釈迦は歴史上の人物であります…

木魚歳時記 第514話

「無量精舎の鐘の音に 諸行無常の響きあり、百日紅の花の艶、和尚転落の理を顕す」。おごれる木魚は、いちびりすぎて、ついに転落してしまいました。 「木魚さん叩いてあげようと、いろいろ苦心したけど、結果はいつも<ちらし寿司>みたい・・そんなん、毎…

木魚歳時記 第513話

森永製菓の歌で「だあれも知らないところで、エンゼルはーいーつもどこかで、見つめてる、ちゃんとちゃんとちゃんとちゃんと、ちゃちゃーんとみている」。おぼえてる?あんときの、キャラメル(栄養・滋養)おいしかったねぇ。(おさる) 一粒・300メート…

木魚歳時記 第512話

人のこと・・ちょつとうらやましかったり、あぁこんなんつらいなぁ・・と、ひきずったりするとき「それが何ぼのこっちゃ」・・はい、おわり。ちゃんちゃん。と自分にゆうたげるの。これって、ききますわよ。(おさる) はい、ぼくも<ちゃん>をやってみます…

木魚歳時記 第511話

小春日和なので、ごんのお布団を干しました。やるだろうとは思っていたけど、やっぱり目ざとく見つけて、日なた臭くなるまで寝転んでいました。ごんもフカフカです。(ごんママ) 「色は匂へど、散りぬるを、我が世誰ぞ常ならむ、有為(うい)の奥山、今日(…

木魚歳時記 第510話

木魚さん、夜中、寝られえんの?そんな<しんきくさい>こと云うたらあかんよ ! わたしなんか、いつもぐうすか。無常なんて、むつかしいこと考えるからとちゃう。チャンチャン。(おさる) ありがとさん。朝型にシフトします。さて、四苦(生・老・病・死)…

木魚歳時記 第509話

むかし長女に、夜は物事を考えたらあかんと言われました。けど~私は起きてる間中何か考えて仕舞います。「無常」とは関係ありませんけどね~~。 「両断にさても渋とき柿のへた」(おうま) 痛た~ッ。ぼくは夜中に起きて、ごそごそします。さて「この世は…

木魚歳時記 第508話

秋ですねえ。びっくり、シャックリ、秋の栗・・なんていいます。(エ~ッ、そんなこといわない?)。木魚さんは栗がお好きですか?(きじ) 栗とリスは大好きです。さて、「時空」(じくう)という言葉があります。「この世の中は時間と空間から成り立ってい…

木魚歳時記 第507話

木魚さん、いよいよ「無常」ですか、なにか凄く楽しみです。野良猫の一家がきてお隣の屋根で遊んでいます。 「好きな方むきし子猫の横座り」(おうま) 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」。この『平家物語…

木魚歳時記 第506話

朝晩が冷えるようになりました。寒がりのごんは飼主がお布団を敷くや、すっ飛んできて器用に鼻先で上布団を捲って入り込み丸くなります。「ふん!」と満足の鼻息を一発、そして、あっという間に爆睡です。(ごんママ) やんす姫のリクエストに応じましょう。…

木魚歳時記 第505話

「メガネプロジェクト」の布施は沢山の善意が集まりだしました。布施もよい子でありたいという煩悩なのでしょうか? 歓迎すべき煩悩がありましたら、教えて頂きたいものです。(おうま) 「父の手と団栗握り山くだる」(おうま) 歓迎すべきか?そのことは別…

木魚歳時記 第504話

かっぱでやんす。かっぱのくせにはまってしまったミュージカル。今度大阪に「レ・ミゼラブル」を観に行きます。これて、日本語題は「ああ無情」なんでやんす。あの有名な小説です(読んでないけど)。木魚さんは「無常」の方が身近でやんすね。「無常」につ…

木魚歳時記 第503話

逆噴射.。飛行機みたいやねもぅ・・・この間のバッタくんの写真よかったわね、じつは、私も撮ってあったんよ・・・柄杓の柄に こどもバッタがいっぷく。わたしも、ちょっと待っててあげました。(おさる) ぼくのバッタはアラビアのバッタ。おさるさんのバッ…

木魚歳時記 第502話

動物園で、一番大好きな「アムール虎」さんに会ってきました。やっぱり虎さんはいいわねェ、目が合うとドキッとします。あんまり柵のりだしてるとオシッコかけられる。カバのおしっこしてるの見たの、 トラもみんな<後ろ>に出るのネ?(おさる) 調べたわ…

木魚歳時記 第501話

木魚さん あなたに引導なんて恐れ多い事です。こちらがそろそろ頂くような気配なのに~。しかし夜中にごそごそとは何事?意味深ですなぁまあ早く寝すぎて、夜中に目覚めるお人があると聞いてはいますが何とも平和なお話~~~ 「青葱をさくさく切れば溢れだ…

木魚歳時記 第500話

今晩は。.おしごとしてられますか?ホ-ムページ『歳時記』の俳句 変えたりしてますか?なんだかそんな気がします。私はまだ、俳句をつくる楽しみより、苦しみのほうが大きいです。つかれるし、ことばがみつからへんし・・・(おさる) ちゃんと見ていただい…

木魚歳時記 第499話

懐かしい映画(テレビ)を観ました。フェデリコ・フェリーニ監督の『道』です。小学生のころ両親に連れられて観ました。今、大人になってみても、いい映画でした。音楽もいいですよね。木魚さんは観られましたか?(おさる) たしか名画でしたね。しかし・・…