2013-12-11から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第84話

祖師堂の 白砂研きて 雪弛む 「それではどうすれば?」。小雪さんの質問は「諸法無我」を現実生活に役立てるにはどうすれば?という疑問です。 * 「いいことに気づきました」。この世の真理(仏教)がわかっても、それを生活に役立てないと意味がありません…

木魚歳時記 第83話

坪庭の しだれ侘助 露地の奥 「あたい、浪花の<いとはん>です」。気色わる~つ。おけいはん、こと、豆八姐さんから<車メール>がきました。そこでぼくは「地球と<共に>加齢かな」と<謝メール>をいたしました。 * 「諸法無我」(しょほうむが)、とは…

木魚歳時記 第82話

酊々と 禄美の天酒で 屠蘇を酌む 「わかってます。人を馬鹿にして…」。ついに、金時姐さんを怒らせてしまいました。あの<無情>の一件です。 * 「嗚呼無情(ビクトル・ユーゴー)です」。 仏教の重要な教えである「縁起」(えんぎ)とは、「縁りて起こる」…

木魚歳時記 第81話

山末に 紅あざやかな 寒椿 「そう。世の中無情やねん」。金時姐さんも理解してくれました。でもまだ<無常>を<無情>と勘違い?それ、いうべきかいわざるべきか? * 「スラッシュ・チルドレン・木魚としては…」。意味不明のことばで誤魔化しておかなけれ…

木魚歳時記 第80話

一音に 一滴凍てる 行者滝 「なにいうてんねんしんきくさい。ぶいぶいやったらんかい」。「無常」なんて無頓着な金時姐さんです。 * 「木魚もぶいぶいやりたいです」。あわさないと…姐さん恐ろしい。 さらに風土と宗教について。池内了氏によれば、春夏秋冬…

木魚歳時記 第79話

心経の しじまを這いて 寒の滝 「真之介さま諸行無常です」。小雪さんが大事にする千両の実を、目白がきて食ってしまったのです。 * 「なんのこっちゃ丸坊主」ですな。 ところで『方丈記』は読みましたか?こうした<無常観>をテーマとする文学がどうして…

木魚歳時記 第78話

酊々と 禄美の天酒で 屠蘇を酌む 「諸行無常」です。というのは、転勤される豆八姐さんに代わって<金時>姐さんが戻ってこられます。 * 「いつか恋は冷める」。これは、エントロピーの法則と呼ばれる宇宙の真理です。昔、ビッグ・バーンで<星間物質>が生…

木魚歳時記 第77話

蝋飴の 未ひねりや 初戎 「あたりまえでやんす」。姫がいうのは「縁(条件)があって、ものごとは起こる」それは、あたりまえというのです。 * 「<あたりまえ>だからこそ真理なのでがんす」。 「時空」(じくう)という言葉を知っている?それは「この世…

木魚歳時記 第76話

去年今年 天地清明 人和順 「おめでとうございます」。 去年今年(こぞことし)、どうか「天地晴明・人事和順」であることを祈念いたします。 * 「ものごとは原因があっておこる」。「ものごとは縁(条件)が合わさって起こる」。と述べました。このうち、…

木魚歳時記 第75話

百八の 止めに夢撞く 除夜の僧 「粉雪が舞ってきます…今年もおしまいですね」。 小雪さんからメールが届きました。彼女との出会いも不思議な「因縁」(いんねん)と言うしかありません。 * 原始仏典に「これあるときかれあり、これ生起することによりかれ生…

木魚歳時記 第74話

菅公の 絵馬堂あたり 春支度 「あたい<おけいはん>です」。年が明けると、豆八姐さんは転勤になって、京阪電車で大阪へと通われます。「いったいなんの因果で?」とぼやいておられます。 * 「夜更かしができませんな?」。 さて、因果(いんが)とは<原…

木魚歳時記 第73話

年の瀬に 灯る明かりや 蛸薬師 「ホームページの<日付>が変でやんす」。そうです『最遊戯』は、毎週、月曜・木曜の<発売予定>でがんす。でも<しんぼたまらず>早めに載せてしまうのでがんす。 * 「爺の寺は由緒があるでがんす」。室町時代に記された『…

木魚歳時記 第72話

雲一つ 八手の花の ひなたぼこ 「息が白くなりました」。バス停で待つ小雪さんは、白い息が出るのを見て「生きている」ことを実感されたそうです。 * 「いいことに気がつかれました」。そうです、わたしたちは、日頃、呼吸していたことを忘れていませんか?…

木魚歳時記 第71話

奥の院 一つ太めの 白い息 「バウ・リンガルを買いました」。豆八姐さんのワン公狂いは膏肓に入っています。 そう、バウ・リンガルとは、ワンちゃんの首につける<犬語翻訳機>のことです。さて<キャイ~ン>と泣いたので見ると…「機械外して」。 * 仏教が…

木魚歳時記 第70話

時間差や はぐれもみぢの 打ってでる 「好きでやんす」。姫がいうのは『最遊戯』に添えてある画像のことでがんす。 「もしかしたら俳句とかお説教より…」。 * 「ビットの言葉を知ってる?」そう、コンピユター用語のビットのことでがんす。ビットとは、パソ…

木魚歳時記 第69話

湯煙や 落葉と浮かぶ 山の宿 「わたしの季節となりました」。大空から降りてくる一粒の水滴が結晶となり雪に変わります。小雪さんが舞い降りるのです。真之介はパッチ装備で、毎日、木の葉を掻いています。 * 「小雪さんの出番です」。天から降ってきた一粒…

木魚歳時記 第68話

茶の花や 風のいたずら 片笑窪 「あたい悲しくなりました」。豆八姐さんは青大将やいろんな<けもの>たちと棲んでおられます。その豪邸に柿ノ木があって、一つ残していた「ずくし」を目白がきてほじってしまった。嗚呼、無常。皮とヘタになった残骸を見て、…

木魚歳時記 第67話

深呼吸 もうひと山と 落葉掻く 「からだをこわすでやんすよ」。「爺は<いつまで>も元気でいてほしいでやんす」。私て何んやねん?…そんなこと考えてウツ状態の爺いを心配してやんす姫が尋ねてきてくれました。 * 「ありがたいことでがんす」。ところで、…

木魚歳時記 第66話

川鷺の 岩に固まる 冬日和 「メロディーを付けて動画をおくります」。それは、雪の結晶が<小人>に変わり樹氷に変わる…耳を澄ませばチロチロと音楽も聞こえてきます。小雪さんの優しさが<ふ>となったぼくの脳ミソを癒してくれます。 * 「私て何や?」(…

木魚歳時記 第65話

ナムの衆 十日十夜 高らかに 「木魚のおっちゃん来てちょうだい」と案内状が届きました。豆八姐さんが小唄会にでられるのです。いま、そのときつける桃色<おこし>を、チクチク縫っておられるそうです。 * 女に化けた狐が、素性が知れ姿を消すとき、残して…

木魚歳時記 第64話

今年また 年輪刻む 十夜顔 「落ち葉のワルツを送ります」。小雪さんからメッセージと<動画>が届きました。クリックすると「かごめかごめ籠の中の鳥は♪」と、落ち葉が輪になったり離れたり…ひととき、楽しい思いをしました。 * 「私てなんや?」。これを考…

木魚歳時記 第63話

色鳥の ピカソ模様で ゆらゆらり 「あたいも張替えができないかしら」。そういわれても…。丸洗いはOKですが、張り替え???は…。師走が近づくと、障子の丸洗いと張替えが豆八姐さんの年中行事だそうです。「なんでこんな寒いときに・・・」。姐さんの<ぼや…

木魚歳時記 第62話

色鳥の 尻尾を齧る 侠雀 「爺は、クサイ氏と呼ばれているのでやんすか?」。そう、会社にいたとき、爺ちゃんは、しんきくさい、阿呆くさい、面倒くさい、が口癖でがんした。そこでみんなから、クサイ氏と呼ばれ、自称<ウンコクサイ>と称したのでがんす。 …

木魚歳時記 第61話

小春日の 俄隠れや 修験道 「京都の紅葉はいかがですか?」。かさかさ…こそこそ…木枯らし魔女。落ち葉に魔法をかけて、聞こえてくるのは…落ち葉のメロディー♪。そんな歌詞に<動画>を添え、送ってくれたのは小雪さんでした。 * 「京都が色ずくのはこれから…

木魚歳時記 第60話

小春日の すとんと落ちて 無人駅 「あたい、寒いのは嫌いです。なんとかして…」。豆八姐さんは寒がりです。そこで、座敷犬を<こたつ>にして眠られるそうです。 * 「なんとかして…と、いわれても」。姐さんの<枕>になら、木魚もお役に立てるかも?(あっ…

木魚歳時記 第59話

苦界ぬけ 浄土を見たり 銀杏の実 「雲谷斎の爺い、コンピュター・ウイールスを知ってるでやんすか?」。姫がいうには、会社でパソコン騒動があった。なんとか駆除はできたが、どうしてそんなことをするのか?仕掛る人の気持ちがわからない…。 * 「爺いも、…

木魚歳時記 第58話

間の音や 啄木鳥叩く 奥の院 朝、起きたら<う~ん>と伸びをして。深呼吸をして。胸いっぱい空気を吸って。お水を一杯飲んで。それから○ンをしたら…、猛然とファイトがでてきました。小雪は、いま、ある資格を取ろうと、チャレンジしています。真之介さま、…

木魚歳時記 第57話

茶碗底 大物が出る 栗ごはん 「雲谷斎の爺い。もう一つ悩みがあるでやんす」。姫がいうには「男心と秋の空」の季節になって<ペチャ>が気になりだした。いまさら上底も…どうしたものか、という相談でした。 * 「悩みはわかるでがんす」。爺いも「♪大きいこ…

木魚歳時記 第56話

神々も 西高東低 神無月 「あたい、もう、はらはらしました」。豆八の師匠さんです。ワンちゃんが女子大生に<だっこ>してもらった。ふとみると<突起>から、なにやら、ピンク色が顔をのぞかせている。女子大生はまだ気づいてないが、スルスルと出てきたら…

木魚歳時記 第55話

屋上を 蒼いっぱいに 十三夜 「気持ちよさそうな日がつづいています。こんなときは、ひなたぼっこをしながら<おさつ>など頬ばると幸せになります。真之介さまも<おさつ>を召し上がりますか?」。と、小雪さんからの手紙です。真之介は<いも>を食いませ…