木魚歳時記

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木魚歳時記 第3136話

「今日のことば」 (そのまたとなりの柏の木が) 清作が、納屋にしまつた葡萄酒は 順序たゞしく みんなはじけてなくなつた。 わつはつはつは、ホツホウ、がやがやがや・・ 九とうしやう。マッチのメダル。 (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)14 「ボクの細道…

木魚歳時記 第3135話

「今日のことば」 (そのとなりの柏の木が) 清作は、葡萄(ぶだう)をみんなしぼりあげ、 砂糖を入れて 瓶にたくさんつめこんだ。 おい、だれかあとをつゞけてくれ。 ホツホウ、ホツホウ、八とうぶりきのメダル。 (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)13 「ボ…

木魚歳時記 第3134話

「今日のことば」 (頑丈さうな柏の木が) 清作は、一等卒の服を着て 野原に行っつて、ぶだうをたくさんとつてきた。 とこうだ。だれかあとをつゞけてくれ。 ホウ、ホウ、七とうしゃう、なまりのメダル。 (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)12 「ボクの細道…

木魚歳時記 第3133話

「今日のことば」 (三ばん目の柏の木が) うこんしやつぽのカンカラカンのカアン あかいしやつぽのカンカラカンのカアン。 うまいうまい、すてきだ、わあわあ。 六とうしょう、にせがねメタル。 (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)11 「ボクの細道]好きな…

木魚歳時記 第3132話

「今日のことば」 (となりの柏の木が) こざる、こざる、 おまへのこしかけぬれてるぞ、 霧、ぼつしやん、ぼつしやん、ぼつしやん、 おまへのこしかけくされるぞ。 うまいねえ、うまいねえ、とたんのメタル。 (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)10 「ボクの…

木魚歳時記 第3131話

「今日のことば」 (少し大きな柏の木が) くるみはみどりのきんいろ、な、 風にふかれて すいすいすい、 くるみはみどりの天狗あふぎ、 風にふかれて さんさんさん。 うまいねえ、ニッケルメタル。 (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)9 「ボクの細道]好き…

木魚歳時記 第3130話

「今日のことば」 (猫のうたです) やまねこ、にやあご ごろごろ さとねこ たつこ、ごろごり。 わあ、うまいうまい。 わつはゝ、わつはゝ。水銀メタル。 (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)8 「ボクの細道]好きな俳句(879) 飯島晴子さん。「泉の底に一本…

木魚歳時記 第3129話

「今日のことば」 (狐のうたです) きつね、こんこん きつねのこ、 月よにしつぽが燃えだした。 わあ、うまいうまい。 わつはゝ、わつはゝ。きんいろメタル。 (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)7 「ボクの細道]好きな俳句(878) 安住 敦さん。「本ばかり…

木魚歳時記 第3128話

「今日のことば」 (柏の若い木が) うさぎのみゝはながいけど うまのみゝよりながくない。 わあ、うまいうまい。 あゝはゝ、あゝはゝ、白金メタル。 (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)6 「ボクの細道]好きな俳句(877) 中村草田男さん。「厚餡割ればシク…

木魚歳時記 第3127話

「今日のことば」 (つづき) 九とうしやうは マッチのメタル 十といしやうから百とうしやうまで あるやらないやらわからぬメタル (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)5 「ボクの細道]好きな俳句(876) 福田甲子雄さん。「じりじりと山の寄せくる油照り」(…

木魚歳時記 第3126話

「今日のことば」 (つづき) 五とうしやうは とたんのメタル 六とうしやうは にせがねメタル 七とうしやうは なまりのメタル 八とうしやうは ぶりきのメタル (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)4 「ボクの細道]好きな俳句(875) 今瀬剛一さん。「鶏小屋に…

木魚歳時記 第3125話

「今日のことば」 (画かきがうたひます) 一とうしやうは 白金メタル 二とうしやうは きんいろメタル 三とうしやうは すゐぎんメタル 四とうしやうは ニッケルメタル (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)3 「ボクの細道]好きな俳句(874) 岡本 眸さん。「…

木魚歳時記 第3124話

「今日のことば」 (柏の大王さまは) 「やがてあなたは みずいろの けふのきものを つけなさる かしわばやしの よろこびは あなたのそらに かゝるまゝ。」 (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)2 「ボクの細道]好きな俳句(873) 中村草田男さん。「老婆外寝…

木魚歳時記 第3123話

「今日のことば」 (若い柏の木が叫びました) 「おつきさん、おつきさん、おつきさん、 ついお見外れして すみません あんまりおなりが ちがふので ついお見外して すみません。」 (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)1 「ボクの細道]好きな俳句(871) 高…

木魚歳時記 第3122話

「今日のことば」 (髪をふりみだした雪婆んごは) 「ひゆう、ひゆう、なまけちや承知しないよ。 降らすんだよ、さあ、ひゆう。 今日は水仙月の四日だよ。 ひゆう、ひゆう、ひゆう、ひゆうひゆう。」 (宮沢賢治「水仙月の四日」)5 「ボクの細道]好きな俳…

木魚歳時記 第3121話

「今日のことば」 (雪婆んごは髪をなびかせ) 「ひゆう、ひゆう、さあしつかりやるんだよ。 なまけちやいけないよ。ひゆう、ひゆう。 さしつかりやつてお呉(く)れ、今日は ここらは水仙月の四日だよ。 さあ、しつかりさ、ひゆう。」 (宮沢賢治「水仙月の…

木魚歳時記 第3120話

「今日のことば」 (雪婆んごが帰ってきた) 「ひゆう、なにをぐずぐずしてゐるの。 さあ降らすんだよ、ひゆうひゆうひゆう。 ひゆうひゆう、降らすんだよ、 飛ばすんだよ。」 (宮沢賢治「水仙月の四日」)3 「ボクの細道]好きな俳句(868) 川端茅舎さん…

木魚歳時記 第3119話

「今日のことば」 (狼たちは) 「アンドロメデタ、 あぜみちの花がもう咲くぞ、 おまへのランプのアルコホル しゆしゅうと噴かせ。」 (宮沢賢治「水仙月の四日」)2 「ボクの細道]好きな俳句(867) 筑紫盤井さん。「目前で僧がのろへる大暑かな」(盤井…

木魚歳時記 第3118話

「今日のことば」 (雪童子と狼たち) 「カシオピア、 もう水仙が咲き出すぞ おまへのガラスの水車 さつさとまはせ。」 (宮沢賢治「水仙月の四日」)1 「ボクの細道]好きな俳句(866) 柿本多映さん。「真夏日の鳥は骨まで見せて飛ぶ」(多映) きっと川…

木魚歳時記 第3117話

「今日のことば」 (帰りは) ひゆう、ぱちつ。 馬車は草地をはなれました。 木や藪がけむりのやうに ぐらぐらゆれました。 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)15 おわり 「ボクの細道]好きな俳句(865) 草間時彦さん。「休日は老後に似たり砂糖水」(時彦) …

木魚歳時記 第3116話

「今日のことば」 どんぐりは、 しいんとしてしまいました。 それはそれは しいんとして 堅まつてしまいました。 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)14 「ボクの細道]好きな俳句(864) 田川飛旅子さん。「非常口に緑の男いつも逃げ」(飛旅子) 「新緑」(夏…

木魚歳時記 第3115話

「今日のことば」 (一郎は) 「そんなら、このなかでいちばん ばかで、めちやくちやで、まるで なつてなゐのが いちばんえらいとね。 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)13 「ボクの細道]好きな俳句(863) 星野麥丘さん。「赤い花咲いて六月了りけり」(麥丘…

木魚歳時記 第3114話

「今日のことば」 (どんぐり) 「いいえ、ちがいます。 まるいのがえらいのです。」 「さうでないよ。 大きいことだよ。」 がやがやがや、もうなにがなんだか わからなくなりました。 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)12 「ボクの細道]好きな俳句(862) 瀧…

木魚歳時記 第3113話

「今日のことば」 (やま猫) 「裁判ももうけふで三日目だぞ いゝ加減に仲なほりしたらどうだ。」 (どんぐり) 「いえいえ、だめです。 なんといつたつて、 頭の尖つてゐるのがいちばん えらいのです。」 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)11 「ボクの細道]…

木魚歳時記 第3112話

「今日のことば」 (裁判) 山ねこは、 マッチをしゆつと擦つて、わざと顔をしかめて、 青いけむりをふうと吐きました。 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)10 「ボクの細道]好きな俳句(860) 中村草田男さん。「老婆外寝奪はるべきもの何もなし」(草田男) …

木魚歳時記 第3111話

「今日のことば」 くるみの梢を、栗鼠がぴよんととんでゐました。 「おい、りす、やまねこがここを通らなかつたかい。」 するとりすは、「やまねこなら、けさまだくらいうちに 馬車でみなみの方へ飛んで行きましたよ。」 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)9 「…

木魚歳時記 第3110話

「今日のことば」 「おい、きのこ、やまねこが、ここを通らなかつたかい。」 するときのこは「やまねこなら けさはやく 南の方に 飛んで行きましたよ。」 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)8 「ボクの細道]好きな俳句(858) 橋本美代子さん。「わが金魚死せ…

木魚歳時記 第3109話

「今日のことば」 ぶなの木の下に、 たくさんな白いきのこが、どつてこどつてこと、 変な楽隊をやつてゐました。 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)7 「ボクの細道]好きな俳句(857) 上田五千石さん。「けふのことけふに終らぬ日傘捲く」(五千石) 「今日も…

木魚歳時記 第3108話

「今日のことば」 「おいおい、笛ふき、 やまねこがここを通らなかつたかい。」 滝がぴーぴー答へました。 「やまねこなら、さつき、馬車で、西の方へ 飛んで行きましたよ。」 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)6 「ボクの細道]好きな俳句(856) 石田波郷さ…

木魚歳時記 第3107話

「今日のことば」 栗の木はちよつとしずかになつて、 「やまねこなら、けさはやく、 馬車でひがしの方へ飛んで行きましたよ。」 と答えました。 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)5 「ボクの細道]好きな俳句(855) 山口誓子さん。「夏草に汽罐車の車輪来て止…

木魚歳時記 第3106話

「今日のことば」 一郎は栗の木をみあげて、 「栗の木、栗の木、やまねこが ここを通らなかつたかい。」 とききました。 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)4 「ボクの細道]好きな俳句(854) 大木あまりさん。「わが死後は空蝉守になりたしよ」(あまり) 「…

木魚歳時記 第3105話

「今日のことば」 すきとほつた風がざあと吹くと、 栗の木はぱらぱらと 実をおとしました。 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)3 「ボクの細道]好きな俳句(853) 藤田湘子さん。「朝顔を蒔くべきところ猫通る」(湘子) 「人が種まきゃ鴉がほじくる」とは違い…

木魚歳時記 第3104話

「今日のことば」 山猫のにやあとした顔や、 そのめんだうだといふ 裁判のけしきなどを考えて、 おそくまでねむれませんでした。 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)2 「ボクの細道]好きな俳句(852) 飯島晴子さん。「泉辺の家消えさうな子を産んで」(晴子)…

木魚歳時記 第3103話

「今日のことば」 かねた一郎さま 九月十九日 あなたは、ごきげんよろしいほで、けつこうです。 あした、めんどなさいばんしますから、おいでん なさい。とびどぐもたないでくなさい。やま猫 拝 (宮沢賢治「どんぐりと山猫」)1 「ボクの細道]好きな俳句…

木魚歳時記 第3102話

「今日のことば」 (猟犬が飛び込み) 「わん、わん、ぐわあ。」 「にやあお、くわあ、ごろごろ。」 家はけむりのやうに消えました。 (宮沢賢治「注文の多い料理店」)11 「ボクの細道]好きな俳句(851) 安住 敦さん。「でで虫や父の記憶はみな貧し」(敦…

木魚歳時記 第3101話

「今日のことば」 (壁にナイフの形が・・) 「いや、わざわざご苦労です。 大へん結構にできました。 さあさあおなかにおはいりください。」 (宮沢賢治「注文の多い料理店」)10 「ボクの細道]好きな俳句(850) 深見けん二さん。「夕闇の既に牡丹の中に…

木魚歳時記 第3100話

「今日のことば」 (扉の裏に) 「いろいろと注文が多くて うるさかったでせう。お気の毒でした。 もうこれだけです。どうかからだの中に、 壺の中の塩をたくさん よくもみ込んでください。」 (宮沢賢治「注文の多い料理店」)9 「ボクの細道]好きな俳句…

木魚歳時記 第3099話

「今日のことば」 (扉に) 「料理はもうすぐできます。 十五分とお待たせはいたしません。 すぐたべられます。 早くあなたの頭に瓶の中の香水を よく振りかけてください。」 (宮沢賢治「注文の多い料理店」)8 「ボクの細道]好きな俳句(849) 藤田湘子…

木魚歳時記 第3098話

「今日のことば」 (扉をあけると) 「クリームをよく 塗りましたか、 耳にもよく塗りましたか。」 (宮沢賢治「注文の多い料理店」)7 「ボクの細道]好きな俳句(848) 石田郷子さん。「来ることの嬉しき燕きたりけり」(郷子) 郷子さんの作品が続きます…

木魚歳時記 第3097話

「今日のことば」 (壺がありました) 「壺のなかのクリームを 顔や手にすっかり 塗ってください。」 (宮沢賢治「注文の多い料理店」)6 「ボクの細道]好きな俳句(847) 石田郷子さん。「鹿の瞳の濡れてをりたる若葉かな」(郷子) 郷子さんの作品が続き…

木魚歳時記 第3096話

「今日のことば」 (扉の内側に) 「ネクタイピン、カフスボタン、 眼鏡(めがね)、財布、その他金物類、 ことに尖ったものは、みんな こゝに置いてください。」 (宮沢賢治「注文の多い料理店」)5 「ボクの細道]好きな俳句(846) 石田郷子さん。「春潮…

木魚歳時記 第3095話

「今日のことば」 (黒い扉がありました) 「どうか帽子と外套(がいとう)と 靴をおとりください。」 (宮沢賢治「注文の多い料理店」)4 「ボクの細道]好きな俳句(846) 阿波野青さん。「ささみだれのあまだればかり浮御堂」(青畝) 滋賀県堅田の浮御…

木魚歳時記 第3094話

「今日のことば」 「(扉の内側に)鉄砲の弾丸(たま)を こゝへ置いてください。」 (宮沢賢治「注文の多い料理店」)3 「ボクの細道]好きな俳句(845) 中原道夫さん。「週刊新潮けふ発売の土筆かな」(道夫) 「文春砲」の標的が「土筆」(つくし)であ…

木魚歳時記 第3093話

「今日のことば」 「(山猫亭入口)お客さまがた、 ここで髪をきちんとして、 それからはきものの 泥を落としてください。」 (宮沢賢治「注文の多い料理店」)2 「ボクの細道]好きな俳句(844) 富安風生さん。「勝負せずして七十九年老の春」(風生) ふ…

木魚歳時記 第3092話

「今日のことば」 風がどうと吹いてきて、 草はざわざわ、 木の葉はかさかさ、 水はごとんごとんと 鳴りました。 (宮沢賢治「注文の多い料理店」)1 「ボクの細道]好きな俳句(843) 藤田湘子さん。「逢ひにゆく八十八夜の雨の坂」(湘子) まず「逢ひに…

木魚歳時記 第3091話

「今日のことば」 庭のなか(6) 林檎の木(向かい側の梨の木に)一お前さんの梨さ、 その梨、その梨・・お前さんのその梨だよ。 あたしがこさえたいのは。 (ルナール『博物誌』) 「ボクの細道]好きな俳句(843) 井上菜摘子さん。「ゆふやけの端をめく…

木魚歳時記 第3090話

「今日のことば」 庭のなか(5) アスパラガス一あたしの小指に訊(き)けば、 なんでもわかるわ。 (ルナール『博物誌』) 「ボクの細道]好きな俳句(843) 井上菜摘子さん。「蜘蛛の囲のうらがはにゐて聞き洩らす」(句集『さくらがい』) 蜘蛛は、蜘蛛…

木魚歳時記 第3089話

「今日のことば」 庭のなか(4) 分葱(わけぎ)一くせえなあ! 大蒜(にんにく)一きっと、また石竹(せきちく)のやつだ。 (ルナール『博物誌』) 「ボクの細道]好きな俳句(843) 井上菜摘子さん。「花栗が四方になだれ逃げだせぬ」(句集『さくらがい…

木魚歳時記 第3088話

「今日のことば」 庭のなか(3) 薔薇一まあ、なんてひどい風・・! 添え木一わしが付いている。 (ルナール『博物誌』) 「ボクの細道]好きな俳句(843) 井上菜摘子さん。「桃の種飛ばしこれから起ること」(句集『さくらがい』) この作者は、時折、読…

木魚歳時記 第3087話

「今日のことば」 庭のなか(2) 木苺一なぜ薔薇には棘(とげ)があるんだろう。 薔薇の花なんて、食べられやしないわ。 生簀(いけす)の鯉―うまこという。だから、俺も、 人が食やがったら骨を立ててやるんだ。 薊(あざみ)一そうねえ、だけど、それじゃ…