木魚歳時記 第3217話

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 「今日のことば」
    ヒドリ(原文ママ)ノトキハ
        ナミダヲナガシ
    サムサノナツハ
        オロオロアルキ
     (宮沢賢治「雨ニモマケズ」)10

 「ボクの細道」好きな俳句(967) 岡本 眸さん。「亡き夫の下着焼きをり冬の鵙」(眸) 遺品の整理は気力を消耗します。その点、ボクたちはやや安心です。なぜなら、寓居に移るときに大部分を整理したのです。とりわけ「遅いことは猫でもする」。その主義のボクは、ホイホイと整理しすぎ、今、必要なモノが生じると「あれ、ないやろか?」と相棒に無心します。そのつど「なんでもポイポイ捨てるからや」と叱られます。

       とろろ汁三杯食ひし某氏M

 

木魚歳時記 第3216話

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 「今日のことば」
    北ニケンクワヤ
      ソショウガ
      アレバ
    ツマラナイカラ
      ヤメロトイヒ
     (宮沢賢治「雨ニモマケズ」)9

 「ボクの細道」好きな俳句(966) 岡本 眸さん。「一生の楽しきころのソーダ水」(眸) 楽しきころ? それは作者でなければわかりません。しかし「人生の楽しきころ」は誰にだってあります。話は変わりますが、ブログ作者は、最近、夢を見てうなされます。たいていは、勤務時代(現役)の頃の夢です。ところで、昨夜は(真夜中)大声で「ナムアミダブツ」を唱えたそうです! 相棒は「さすがお坊さんやなぁ」とはいうてくれましが、なにぶん「夢の話」ですから(汗)。

       短足のちょぼちょぼとゆく花野原

 

木魚歳時記 第3215話

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 「今日のことば」
    南に
      死ニサウナ人
      アレバ
      行ッテ
    コハガラナクテモ
      イヽ
      トイヒ
     (宮沢賢治「雨ニモマケズ」)8

 「ボクの細道」好きな俳句(965) 岡本 眸さん。「昔男にふところありぬ白絣」」(眸) 「白絣」(しろがすり)は夏の季語となります。白地に絣もようをあしらった粋な単衣(ひとえ)のことです。こうした召し物を着て「ふところ手」する男性はいかにも「いなせ」な感じがしたします。くらべて「白絣」を見たことも着たこともない某氏Sなど、いかにも、短小軽薄な感じがいたします(汗)。

       お父さん空がきれいよ秋の暮

 

木魚歳時記 第3214話

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 「今日のことば」
    西ニツカレタ母アレバ
    行ッテソノ
    稲ノ束ヲ
      負ヒ
     (宮沢賢治「雨ニモマケズ」)7

 「ボクの細道」好きな俳句(964) 岡本 眸さん。「毛虫の季節エレベーターに同性ばかり」(眸) 前に紹介した。かも? 「毛虫」は夏の季語です。その活動が活発となるからでしょうか? さて、それでなくとも、独特の雰囲気の「密室」となるエレベーターの中が女性ばかりとは! しかし、どうして「同性」を女性と決めつけるの? それは、「密室」が暑くて息苦しいのに加え、化粧水の匂いまでムッ。ところで、某氏Sはこんな「密室」を好まれるようで(汗)。

       赤い月あしたはきつと雨だろう

木魚歳時記 第3213話

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 「今日のことば」
    東ニ病気ノコドモ
    アレバ
    行ッテ看病シテ
         ヤリ
     (宮沢賢治「雨ニモマケズ」)6

 「ボクの細道」好きな俳句(963) 岡本 眸さん。「美しき冷えをうぐひす餅といふ」(眸) 「鶯餅」が出るころともなれば、はや、春の息吹きが感じられる季節です。そのころの肌寒さを「冴返る」「やや寒」とせずに、鶯餅の「美しき冷え」と詠われたところが秀逸です。「嘘ばかりいふ男らとビール飲む」(眸)。のようなエスプリの効いた作品にかぎらず、このような切れのある作品をつくられるところが好きです。

       小鳥にも雨にも負けず木守柿

 

木魚歳時記 第3212話

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 「今日のことば」
    野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
    小サナ萱ブキノ
    小屋ニヰテ
     (宮沢賢治「雨ニモマケズ」)5

 「ボクの細道」好きな俳句(962) 岡本 眸さん。「なんとなく松過ぎ福神漬甘き」(眸) 松の内の七日も過ぎれば、福神漬(ふくしんずけ)で「お茶漬けサラサラ」が食べたくなるものです。眸さんでなくともこうしたことは同じです。とりわけ高齢者ともなれば、お正月でなくとも「日常茶飯事」があたりまえなのです。「おとうさん、晩、何(おかず)にしましょうか?」。ボクがの返事もいつもおなじです。

       あのころの初心にもどり法師蝉

木魚歳時記 第3211話

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 「今日のことば」
    アラユルコトヲ
    ジブンヲカンジョウニ
          入レズニ
    ヨクミキキシワカリ
    ソシテワスレズ
     (宮沢賢治「雨ニモマケズ」)4

 「ボクの細道」好きな俳句(961) 岡本 眸さん。「秋晴の踏切濡らし花屋過ぐ」(眸) 平面交差(踏切)は、順次、立体交差に切り替わっています。ですから、掲句のような情景を見る機会も少なくなりました。昔、小さな踏切には舗装がなく、枕木などを並べて通路が作られていました。凸凹のある踏切を、花売りの手押し車が通ると揺れ、台車からこぼれた水が踏切の枕木を濡らしてゆきました。

       敬老の日あと十年は生きてやる