木魚歳時記

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木魚歳時記 第3148話

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   「今日のことば」
     (そこで子狐は)
    四郎はしんこ、
    かん子はかんこ、
    おらはお嫁はいらないよ。
     (宮沢賢治「雪渡り」)6
 「ボクの細道」好きな俳句(897) 大木あまりさん。「わが死後は空蝉守になりたしよ」(あまり) 蝉の「ぬけがら」は、いつまでも枯れ枝に、しがみつくようにして残っています。さて、わが死後はとは? 「空蝉守」(うつせみもり)とは? ボクのうすら頭ではよくわかりません。推察するにあまりさんは異常に蝉の「めけがら」がお好きなのでは? ですから、死んだ後も、そのまま「空蝉守」(うつせみもり)としてこの世に残られる(汗)。 

      女郎蜘蛛ここよわたしは美しい

 

木魚歳時記 第3147話

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 「今日のことば」
     (四郎はそこで)
    狐こんこん白狐、
    お嫁ほしけりゃ、
    とってやろよ。
     (宮沢賢治「雪渡り」)5

 「ボクの細道」好きな俳句(896) 安住 敦さん。「でで虫や父の記憶はみな貧し」(敦) そのとおりです。厳しい、怖い、ビリビリする。それ以外に、父について何か思い出そうとしてもありません。母親はこの逆です。これは、ボクにかぎること? かも知れません。しかし、父の亡くなった年齢となりつくずく思います。苦しい状況の中で大学まで行かせてくれた。などなど、父親に感謝しています。ありがとう「お父さん」。

       うしろより液化はじまるなめくぢり

木魚歳時記 第3146話

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 「今日のことば」
     (すると)
    凍(し)み雪しんしん、堅雪かん。
    と云ひながら、キシリキシリ雪をふんで
    白い狐の子が出て来ました。
     (宮沢賢治「雪渡り」)4

 「ボクの細道」好きな俳句(895)  鈴木六林男さん。「わが死後の乗換駅の潦」(六林男) 「潦」(にわたずみ)とは、(夕立などで)地上にできた水たまりのことです。夏の季語となるのでしょうか? (通勤の時に見かけた)乗り替え駅の、いつもの場所のいつもの「水たまり」は、定年後も、いや、自分の死後もおなじようにあるのだろうか? まことに「しんみり」とする作品です。

       片かげり犬が寝てゐるどうしやう                    

 

木魚歳時記 第3145話

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 「今日のことば」
    堅雪かんこ、凍(し)み雪しんこ。
    狐の子ぁ、嫁ぃほしい、ほしい。と
    二人は森へ向いて高く叫びました。
     (宮沢賢治「雪渡り」)3

 「ボクの細道」好きな俳句(894)  上田五千石さん。「ふだん着の俳句大好き茄子の花」(五千石) テレビ4チャンネルの、人気番組「プレバト」は楽しい。この番組のお陰で、俳句がずいぶんと身近になったでしょう。番組構成(プロデュース)の巧みさもありますが、しかしなんといっても、夏井いつきさんの絶妙の指導にあります。それがわかりながら、いざ、実作となると、ボクはまったくお手上げです。凡人の凡人たる所以です。

      若者のここにあつまるビヤガーデン

木魚歳時記 第3144話

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 「今日のことば」
    堅雪かんこ、凍(し)み雪しんこ。
    二人は森の近くまで来ました。大きな柏の木は
    枝も埋(うず)まるくらゐ立派な透きとほつた
    氷柱(つらら)を下げて重そうに身体を
    曲げて居りました。
     (宮沢賢治「雪渡り」)2

 「ボクの細道」好きな俳句(893) 鈴木六林男さん。「泥棒や強盗に日の永くなり」(六林男) 日永(ひなが)、つまり昼間の長い夏は、空き巣、コソ泥にとっては稼ぎ時なのです。稼働時間が多くなるからです(笑)。ウソのような本当の話なのかもしれません。ところで、盗難の手口も様変わりしてきました。重機を使って「現金出納機」丸ごとかっぱらう! 大胆不敵というか奇想天外というか、世の中変わってきました。

         青鷺の独去独来独居癖 

                     独去(どっこ)

 

木魚歳時記 第3143話

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 「今日のことば」
    堅雪かんこ、凍(し)み雪しんこ。
    四郎とかん子はとは小さな雪沓(くつ)をはいて
    キックキックキック、野原に出ました。
     (宮沢賢治「雪渡り」)1

 「ボクの細道」好きな俳句(892) 飯島晴子さん。「畔草に乗る蛇の重さかな」(晴子) 畦道から叢(くさむら)に消えようとする蛇。その蛇(くちなは)の重さで草がしなります。そして蛇が消えた後も、しばらくは草に残るなまぐさい匂いまで感じる作品です。飯島晴子さんの感性は非凡です。ボクは心象俳句の第一人者だと尊敬しています。

        八月を蹴り上げている赤ん坊

木魚歳時記 第3142話

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 「今日のことば」
      (柏の大王もよろこんで)
    雨はざあざあ ざつざゞゝゝゝあ
    風はどうどう どつどゞゝゝゝう
    あられぱらぱらぱらぱらつたゝあ
    雨はざあざあ ざつざゞゞゞゞあ
     (宮沢賢治「かしわばやしの夜」)20  おわり

 「ボクの細道」好きな俳句(891) 松崎あき子さん。「炎天やひとりぼつちの父の墓」(あき子) 寿命のことはしかたがありません。男女の平均寿命も差があります。ですから、母が身まかるまで「独りでしんぼうしてね。」となります。せめて冷たい水をお墓にかけてあげましょう。さて「お父さん」の語感について。NHK朝ドラ主人公のつぶやく「お父さん」。あれはもうたまりません。本年度「流行語大賞」になってほしい。

       熱帯夜身ぬちのセンサー狂ひたり