木魚歳時記

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木魚歳時記 第3027話

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 (十六学生の質問の結語)(ビギャンがいった)「バラモンさま。わたくしは怠ることなく、昼夜に、心の眼を以ってかれ(ブッダ)を見ています。かれを礼拝しながら夜を過ごしています。ですから、わたくしはかれ(ブッダ)から離れて住んでいるのではありません。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(782) 井上菜摘子さん。「みづいろの瓶をあふるる春の闇」(句集『さくらがい』) 一転、この作者のもつ、知的で強靭な精神力をぞんぶんに示した作品です。「みづいろの瓶」とは? その中身のことはわかりません。しかし、あふるる「春の闇」とあります。興味がわきます。果たして魑魅(ちみ)が出るのか、魍魎(もうりょう)が出るのか? 読者の好奇心を掻き立てて充分です。綿密な構成力と、そのために掬いあげられる語彙の確かさは、この作者の定評となるところであります。

 「今日のことば」
         切の人生の果実は、
        その人が蒔いた種子のとおり表現してくる。
         (中村天風)

          うららかや魑魅もゾンビも魍魎も

木魚歳時記 第3026話

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 (十六学生の質問の結語)(ビギャンがいった)「即時に実現され、時を要しない法、すなわち煩悩(ぼんのう)なき妄執の消滅を、かれ(ブッダ)は説示されました。かれ(ブッダ)に比すべき人はどこにも存在しません。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(781) 井上菜摘子さん。「白地図やまづ蝶の径付けてやる」(句集『さくらがい』) 作者は、自由に書き込むことのできる「白地図」(心の)をお持ちのようです。ふわふわと舞いはじめた初蝶のために、まず、この白地図に、蝶のゆく「径」(みち)を示してあげたい。そのことは、これからたどるであろう自身の「道程」(みち)と重なるかもしれない。と、いうのです。作者の心根の優しさがにじむような作品です。

 「今日のことば」
         面白いねぇ、実に。オレの人生は。
         だって道がないんだ。
         眼の前にはいつも、なんにもない。
         ただ前に向かって身心をぶつけて挑む
         瞬間、瞬間があるだけ。
         (岡本太郎)

          囀りの中で接吻してみたい 

                     接吻(せっぷん)

 

木魚歳時記 第3025話

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 (十六学生の質問の結語)(ビギャンがいった)「(師)バーヴァリさま。わたくしは、知恵豊かなゴータマ(ブッダ)、のもとから、瞬時でも離れて住むことはできません。」(スッタニパータ) 

 「ボクの細道]好きな俳句(780) 井上菜摘子さん。「菜の花は吃水線なり逢ひにゆく」(句集『さくらがい』) 吃水線(きっすいせん)とは、船舶の積載量(基準)を示す、船腹の赤いラインのことです。さて、作者は、ある重大な決断に迫られた? それは「逢ひにゆく」とあります(もしかしたらプロポーズへの回答か?)。ならば、作者の好きな「菜の花」の美しい、今、この時期を逃してはならない! 「吃水線」を心の基準(比喩)として用いて見事に成功した秀作です。

 「今日のことば」
         どんな遠くに旅をしても、
         その距離だけ内面へも旅をしなければ、
         どこへも行きつくことはできません。
          (リリアン・スミス)

          菫ほど愛しきものに恋心

木魚歳時記 第3024話

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 (十六学生の質問の結語)バーヴァリがいった。「かれ(ブッダ)は、即時に実現され、時を要しない法、すなわち煩悩(ぼんのう)なき妄執の消滅をそなたに説示した。かれに比すべき人はどこにも存在しない。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(779) 井上菜摘子さん(春季)。「桜貝わたくしといふ遠流かな」(句集『さくらがい』) 句集名となった代表作です。作者自身がその足跡を振り返り「遠流」(おんる)とは少し厳しすぎるとしても、今、浜辺に流れつき、なお、打ち寄せる波に磨かれつづける桜貝(自身)を自分で褒めてあげたいような気もする。ふと、ボクは、小笠原秀實先生の「足あとの残らば残れ足あとの消えなば消えねひとり旅ゆく」のお歌を思い出していました。

 「今日のことば」
         人生は意義ある悲劇だ。
         それで美しいのだ。
         生き甲斐がある。
          (岡本太郎)

         陽炎を裏であやつる陰陽師 

                    陰陽師(おんみょうじ)

 

木魚歳時記 第3023話

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 (十六学生の質問の結語)(バーヴァリがいった)、「ビギャンよ。そなたは、知恵豊かなゴータマ(ブッダ)、叡智ゆたかのゴータマのもとから離れて住むことができるのか?」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(778) 坂田淑子さん。「春愁や聖書の上のルームキー」(淑子) 聖書の上にルームキーが載せてある。ただそれだけのことです。ただし、それは「偶然」ではない? 聖書の上に「もの」など置くはずがない? そんなことをいろいろ考え始めると面白い! それにしても、「聖書」と「ルームキー」の取り合わせは謎めいています。この謎を解くのは「春愁」の季語にあるのでは?

 「今日のことば」
         私は、人生の岐路に立った時、
         いつも困難なほうの道を選んできた。
         (岡本太郎)

         アマリリス眺めとぼとぼ歩きかな

 

木魚歳時記 第3022話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャは(バーヴァリのもとに帰って)いった。「かれ(ブッダ)は即時に効果の見られる、時を要しない法、すなわち煩悩(ぼんのう)なき妄執(もうしゅう)の消滅をわたくしに説示しました。かれに比すべき人はどこにも存在しません。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(777) 三橋鷹女さん。「鞦韆(ふらここ)は漕ぐべし愛は奪ふべし」(鷹女) 鷹女さんには、激しい(そう感じる)作品が多いようです。まあ、鷹女(たかじょ)という俳号からしてもそうです。 しかし、どちらかといえば、ボクは、こうした激しい作品に魅かれるようです。男性的な女性に曳かれるようです(汗)。

 「今日のことば」

         自分になにができるかを知るより、
           なにができないかを知ることのほうが重要よ。
         (ルシル・ボール)

          これやこの一つ歪みしチューリップ 

木魚歳時記 第3021話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャさんは(バーヴァリのもとに帰って、復命して)いった。「かれ(ブッダ)は独りで煩悩の暗黒を払って坐し、高貴で、光明を放っています。ゴータマ(ブッダ)は叡智ゆたかな人です。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(776) 秋元不死男さん。「蝿生れ早や遁走の翅使ふ」(不死男) 蛇もそうですが、蠅はどうしてこうも嫌われるのでしょうか? 蠅叩きとならないように、ハエは赤ちゃんの時から逃げることを具えているのです。ヘビも爬虫類ながら「半卵生」で生まれるのもそうです。自然界の「掟」(おきて)は厳しいのです。

 「今日のことば」
         自分の力に合うことだけしろ、
           その他の事は、
         おのずと道が開けてくるまで待て。
          (武者小路実篤)

           朔日のホットリップス四月馬鹿 

                         朔日(ついたち)