(十六学生の質問の結語)(ビギャンがいった)「バラモンさま。わたくしは怠ることなく、昼夜に、心の眼を以ってかれ(ブッダ)を見ています。かれを礼拝しながら夜を過ごしています。ですから、わたくしはかれ(ブッダ)から離れて住んでいるのではありません。」(スッタニパータ)
「ボクの細道]好きな俳句(782) 井上菜摘子さん。「みづいろの瓶をあふるる春の闇」(句集『さくらがい』) 一転、この作者のもつ、知的で強靭な精神力をぞんぶんに示した作品です。「みづいろの瓶」とは? その中身のことはわかりません。しかし、あふるる「春の闇」とあります。興味がわきます。果たして魑魅(ちみ)が出るのか、魍魎(もうりょう)が出るのか? 読者の好奇心を掻き立てて充分です。綿密な構成力と、そのために掬いあげられる語彙の確かさは、この作者の定評となるところであります。
「今日のことば」
切の人生の果実は、
その人が蒔いた種子のとおり表現してくる。
(中村天風)