木魚歳時記 第3020話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャは(バーヴァリのもとに帰って)いった。「ゴータマ(ブッダ)の教えよりも前に『以前はこうだった』『未来にこうなるであろう』と伝え聞いた教えは、すべて思案の紛糾(ふんきゅう)を増すのみ。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(775) 高浜虚子さん。「春風や闘志いだきて丘に立つ」(虚子) 虚子さんの代表句とされます。碧梧桐の新傾向俳句との対決の決意し、俳誌『ほとゝぎす』を引き継ぎ、これに俳句だけでなく和歌、散文などを加えた「俳句文芸誌」として世に問う決意を表明した頃の作品とされています

 「今日のことば」
         キャリアではない。 

         私の人生なんだ。

         (スティーブ・ジョブズ)

         微笑めば鏡もわらふ春の昼

木魚歳時記 第3019話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャは(師バーヴァリのもとに帰って)いった。「たとえば鳥が疎(まばら)な林を捨て果実の豊かな林に住みつくように、わたくしもまた見ることの少ない人々を捨て、白鳥のように大海に到着しました。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(774) 阿部完市さん。「山ごーごー不安な龍がうしろに居り」(完市) アベカンさんの俳句は面白い。こんな俳句は理屈で考える必要はありません(そう思います)。読者は、物語の世界に迷い込んだつもりで、不安と怖いもの見たさの、わくわくする気持ちになればそれで充分です。なにせ龍も「不安」なのですから! 龍を恐れることはありません。

 「今日のことば」
         人は、運命を避けようとしてとった道で、
         しばしば運命にであう。
        (ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ)

           春めくや雲と羊と楱の木と 

                      楱(はん)

木魚歳時記 第3018話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャは(バーヴァリのもとに帰って)いった。「暗黒を払う目ざめた人(ブッダ)は、一切の迷いの生活を超えた人、汚れのない人、一切の苦しみを捨てた人、かれは真に目ざめた人と呼ばれるにふさわしい。わたしはかれに近侍(きんじ)しましょう。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(773) あざ蓉子さん。「人間へ塩振るあそび桃の花」(蓉子) 「塩振るあそび」は比喩であるとしても、なんとも凄まじい! 「桃の花」は取り合わせであるとしても、なんとも凄まじい! 最近の流行語に「保育園落ちた日本死ね!」がありました。俳句はもとより「ことばの限界」について気になる昨今です。

 「今日のことば」
         蝶はモグラではない。
           でも、そのことを残念がる蝶はいないだろう。
         (アインシュタイン)

          街道を行き交う人や比良八荒

 

木魚歳時記 第3017話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャは(バーヴァリのもとに帰り)いった。「垢(あか)と迷いを捨て、高邁(こうまい)と隠し立てとを捨て去った(ブッダ)を讃嘆(さんたん)することばを」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(772) 星野 椿さん。「海匂ふ遅日の町につきにけり」(椿) 椿さんの作品には独特の抒情があります。なにか、蕪村の作品をふと思い出したりいたします。ありがままに景が浮かんでくるのです。これを詩的センスというのでしょうか? お人柄というのでしょうか? ともかく「海匂ふ」が強く迫ります。

 「今日のことば」
         人生は学校である。 

         そこでは幸福より不幸の方が

         良い教師である。
        (フリーチェ)

         老僧のラップリズムや春隣

 

木魚歳時記 第3016話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャは、バーヴァリ(師)のもとに帰っていった。「(彼岸に至る道)をわたしも読誦(どくじゅ)しましょう。叡智(えいち)ゆたかな人(ブッダ)は、みずから観じたとおりに説かれました。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(771) 秋元不死男さん。「三月やモナリザを賣る石畳」(不死男) 海外での作品でしょうか? なぜなら、白壁と石畳のある(坂道の)路地で、モナリザの肖像画を売るのは、イスタンブールなどが似合うと思うからです。それはともかく、俳句作品には「抒情」の漂うことは大切なことです。

 「今日のことば」

             弱いものを救い上げるだけでは十分ではない。

          その後も支えてやらなければ。

        (シェイクスピア) 

          野仏とすみれたんぽぽ蓮華草

 

木魚歳時記 第3015話

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 (十六学生の質問の結語)「最上の道を修める人は、此岸(しがん)から彼岸におもむくであろう。それは彼岸に至るための道である。それ故に『彼岸に至る道』と名づけられる。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(770) 金子兜太さん。「去勢の猫と去勢せぬ僧春の日に」(兜太) まあ、なんと「去勢せぬ僧」とは! 坊主は、油揚げとか、ゴマ豆腐とか、野菜とか、精進料理(それから般若湯も)など体にいいものばかり食って、労務(清掃)に励みます。ですから、おのずから精力が充満します。それと比べて去勢された猫ちゃん!とは。 兜太さんにはかないません(汗)。

 「今日のことば」
         人生に失敗した人の多くは、
         諦めたときに自分がどれほど成功に近づいていたか
         気づかなかった人たちだ。
         (トーマス・エジソン)

        クロッカスみんなちがつてみんないい

 

木魚歳時記 第3014話

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 (十六学生の質問の結語)「一つ一つの質問に対して、目ざめた人(ブッダ)が説かれたように、そのように実践する人は、此岸(しがん)から彼岸(ひがん)におもむくであろう。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(769) 日野草城さん。「けふよりの妻と泊るや宵の春」(草城) 草城さんの作品には「妻」を描いた作品が多いようです。わが「妻」を臆面もなく登場させ、しかも、読者に濃厚な場面を連想させる。例の「都ホテル」シリーズしかり。しかし、あれは、フィクションとの評がもっぱらのようです。でも、やはり、凡人にとって「妻」のことを記すなど面映ゆい!

 「今日のことば」
         逃げた者は
         もう一度戦える。
          (デモステネス)

          妻の尻ついしみじみと春の宵